神社やお寺には必ずと言っていいほど、手水舎という手を洗う場所があります。
恐らく皆さんも参拝前に手を洗っていると思いますが、
「どんな順番で洗えばいいのかわからない」
という悩みをネットでよく拝見します。
- 手水を行う順番
- どうして手水をしないといけないの?
- よくある手水のQ&A
そこで今回は手水を行う順番についてまとめました。
手水の順番を知りたい方や、手水の意味を知りたい方にとっては為になる事をまとめたので、
気になる人は読んでみてください。
手水舎での清め方

手水舎での清め方は以下の手順で行っていきます。
- 右手に柄杓を持ち、左手を清める
- 左手に柄杓を持ち、右手を清める
- 右手に柄杓を持ち、左手に水を受け止め口の中を清める
- 柄杓を縦にして柄を清める
詳しく見ていきましょう。
右手に柄杓を持ち、左手を清める
最初に右手に柄杓を持って、左手を清めましょう。
この時に気を付けたいのは水の量です。
この後右手を清めるので、柄杓に入っている水をすべて使うのでは無く、半分は残しておこうね!
左手に柄杓を持ち、右手を清める
左手を清め終わったら、右手に柄杓を持ち替えて残った水で右手を清めましょう。
右手に柄杓を持ち、左手に水を受け止め口の中を清める
右手で柄杓を持ち、左手に水を受け止めて口の中を清めましょう。
この時口の中の水は軽くゆすぐ程度でOKです。
ゆすいだ後の水は、他の方に配慮して手で口を覆いながら水を吐き出すようにしましょう。
口を付けてしまった左手を再度清めます。
柄杓を縦にして柄を清める
柄杓を縦にして持った場所を洗いましょう。
この時勢いよく縦にすると自分に水が掛かってしまうので、ゆっくり縦にするのがコツです。
洗い終わったら元の場所に柄杓を戻しておきましょう。
どうして手水舎で清めるの?

そもそもの話ですが、どうして手水舎で手や口を清める必要があるのでしょうか?
簡単に言うと、禊を行う為です。
禊と言われてもよくわからない人もいると思うので、詳しく説明します。
禊の起源は伊邪那岐の水浴び
日本はその昔、伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)という2柱の神様によって作られました。
ある日伊邪那美が火の神様を産んで亡くなってしまったので、黄泉の国へ伊邪那岐が迎えに行きましたが、
伊邪那美は生前の面影が無くなるほど恐ろしい姿になってしまい、伊邪那岐は黄泉の国から逃げ帰ってしまいます。
ここら辺の話は日本の神話『古事記』に書いてるので、気になる人は調べてみてね!
その時、黄泉の国での穢れが伊邪那岐の体に付着していたので、水を使って穢れを落としました。
この時の穢れを落とす所作が禊の原点となっていると言われています。
つまり、禊というのは穢れを落とす行為という事になります。
禊の起源は、伊邪那岐が穢れを落とすときの水浴びだった。
参拝する前に禊をする意味
私たちは生きている内に様々な穢れを体に受けています。
例えば食事をする時に私たちは生き物を食べます。
しかし生き物を食べるという事はその生き物の命を間接的にでも奪っている事になります。
なのでいくら自分清廉潔白に生きているつもりでも、生きている以上必ず穢れは蓄積していきます。
これから神様や仏様に会うのに穢れが付いている状態で参拝するのは避けたいので、その穢れを取り除くのが禊です。
しかし、伊邪那岐がやっているような水浴びを神社やお寺で行うのは大変なので、
それを簡略化したのが手水舎での手水なのです。
ちなみに手水舎が初めて設置されたのは日光東照宮と言われているよ!
よく聞かれるQ&A

神社とお寺で作法は違うの?
作法に違いはありません。
最初に清めるのは右手?左手?
手水初心者の方がよく間違えるのが、
「どっちの手から始めるんだっけ?」
という点。
確かに左か右かで迷うかもしれませんが、簡単に覚える方法があります。
神社では基本的に左から所作を開始します。
先ほどの伊邪那岐の禊の話に戻りますが、伊邪那岐が禊をした時に左目から生まれたのが、
日本の神々の頂点と言われている天照大御神(あまてらすのおおみかみ)と言われています。
この"左目から生まれた"という逸話から日本の伝統作法である左上位の考え方が生まれました。
左上位の考え方は
- 参道を歩く時に左を歩く
- 鳥居は左足からくぐる
- 祈祷する時の手は左をやや上にする
といったように神社の参拝では頻繁に出てくるから覚えておこう!
どうして手水舎は龍の口から水が出てるの?
手水舎をよーく見てみると、殆どが龍の口から水が出ていることが多いです。
これにはちゃんと理由があります。
龍は本来、水を司る神様だと言われています。
そして水は全ての生命の源となる神聖なものです。
水を司る神様の口から水が出る事により、より清らかで神聖な水という意味があります。
神社によっては龍以外の動物から水が出ているから、注目して見てみてね!
水を汲むのは水がでている所から?溜まっている場所から?
手水を行う時は、水が溜まっている場所(水盆)から水を取って行うようにしましょう。
水盆から汲まずに、水が出ている場所から直接組むのは不作法となります。
水盆がないタイプの手水舎の場合は、直接出ている所から汲んでOK!
まとめ
以上で手水舎での作法のお話を終わります。
最後にもう一度確認しましょう!
- 右手に柄杓を持ち、左手を清める
- 左手に柄杓を持ち、右手を清める
- 右手に柄杓を持ち、左手に水を受け止め口の中を清める
- 柄杓を縦にして柄を清める
神様や仏様に参拝する時、手水は欠かせないものなので、ぜひとも覚えておきましょう!
以上で本記事は終わりです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。