皆さんは稲荷神社をご存じでしょうか?
超が付くほどの有名な神社なので、恐らく知らない人はいないかと思います。
ですが、皆さんは稲荷神社はどこまでご存じですか?
なぜ至る所に稲荷神社があるのでしょうか?
稲荷神社のお稲荷様とはだれなのか?
どんなご利益があるのか?
ここまで答えることができる人は、ほとんどいないかと思います。
そこで今回はそんな稲荷神社にスポットを当ててみました。
- お稲荷様とは?
- なぜ稲荷神社には狐がいるのか?
- お稲荷様とは何者か?
- いなり寿司の始まり
この記事を読めば、普段あまり気にする事が無かった稲荷神社に対して詳しく知る事ができますし、
明日から見る目が変わるかもしれないので、気になる人はこのまま読み進めてください。
稲荷神社とは?
稲荷神社とは日本に古くからある神社の一種です。
- 数が多い
- 赤い鳥居がある
- 狛犬ならぬ、狛狐がいる
- 神道系、仏教系に分かれている
稲荷神社は日本にある数ある神社の中で最も社数が多く、その数3万~4万社と言われています。
正確な数は今もわかっていないようです。
その数から江戸時代ではそこら中にある事の比喩として
「火事、喧嘩、伊勢屋稲荷に犬の糞」
という言葉が作られる程です。
"稲荷"ってなに?
色々な説がありますが、稲荷神社の総本社伏見稲荷大社のHPでは、
なぜイナリと名前がついたの?
山城国風土記の逸文では「イネが生った」ところより社名としたとあります。(「ご鎮座」参照)が、他にもいろいろな説があります
引用:伏見稲荷大社
と回答されています。
ご利益は?
先述したように、稲が育つことに由来されていることから、
稲荷神社は五穀豊穣にご利益のある神社とされていました。
- 五穀豊穣
- 豊作祈願
- 商売繁盛
- 家内安全
- 所願成就
しかし、江戸時代に世間一般に広まったことを始め、時代の変化と共に変わっていき、
他にも商売繁盛や、家内安全といったご利益もあるとされました。
どうしてそんなに数が多いの?
稲荷神社が流行りだしたのは江戸時代の頃です。
その頃徳川家の側近だった田沼意次が、自身の屋敷にお稲荷様を祀ったのがきっかけで、
お稲荷様を祀る事が江戸の町で流行るようになりました。
更にその頃江戸時代では参勤交代という地方の大名を江戸に呼ぶ制度があり、
その時に地方から江戸に来る人達が、自分の地域にも広めていったとされています。
五穀豊穣にご利益があるとされていたので、まだお米を作る人が多かった江戸時代に流行るのは、
当然といえば当然だったんでしょうね。
どうして狐がいるの?
勘違いしている方が多いので最初に言っておきますが、お稲荷様は狐の姿をした神様ではありません。
稲荷神社にいる狐は、お稲荷様の眷属(神様をサポートする動物)と言われています。
なぜ狐がお稲荷様の眷属になったのかと言うと理由があります。
当時の人々から見て、狐は田んぼを荒らすネズミを食べてくれる益獣でした。
また狐が『稲作がはじまる頃に山から下りてきてネズミを食べ、稲の収穫が終わった時期になると元の山に帰っていく』
という姿をみた人達は、狐を山の神様と重ねるようになりました。
そして段々と狐は神の使いという事になり、五穀豊穣に縁のあるお稲荷様の眷属として、
狐を祀ったと言われています。
御祭神&御本尊
稲荷神社には、神道系と仏教系で2人のお稲荷様もとい、御祭神&御本尊がいるとされています。
神道系の御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
仏教系の御本尊:荼枳尼天(だきにてん)
日本は江戸時代まで神仏習合の考えで、神社とお寺は同じものとされていました。
そして明治時代になり神仏分離令が発令され、神社とお寺は別々になります。
そしてそれはもちろん、稲荷神社も例外では無かったというわけです。
ここからはお稲荷様と言われている宇迦之御魂神と荼枳尼天のお話をしましょう。
宇迦之御魂神がお稲荷様?
神道系の稲荷神社の御祭神は宇迦之御魂神となっていますが、これには理由があります。
稲荷神社の総本社伏見稲荷大社は、元々は大陸から来た秦氏の氏神を祀る神社として建設されました。
"大陸から来た秦氏の氏神"なので、日本の神様ではありませんでしたが、秦氏が日本の農業に非常に良く貢献した事から、
秦氏の氏神は、日本の五穀豊穣を司る宇迦之御魂神と同一視されるようになりました。
ちなみに宇迦之御魂神の他にも、お稲荷様と呼ばれる神様は複数存在します。
- 豊受大神(トヨウケオオカミ)
- 保食神(ウケモチノカミ)
- 大気都非売神(オオゲツヒメノカミ)
- 宇賀神(ウガノカミ)
etc
神社によってはこれらの神様を祀っている場所もあります。
なぜ荼枳尼天がお稲荷様に?
引用:Wikipedia
一方荼枳尼天は元々は人を食べる悪鬼、夜叉として恐れられていました。
しかし大黒天に説得されて改心し、のちに福神となります。
荼枳尼天は姿こそ美しい女性の姿をしていたとされていますが、常に大きな狐に乗っていたともされていました。
そのことから、稲荷神社の眷属である狐と同じとされて、
仏教系の稲荷神社の御本尊として、荼枳尼天が祀られるようになったと言われています。
神道系と仏教系の見分け方
神道系と仏教系の2種類の稲荷神社があると言いましたが、それぞれどう違うのでしょうか?
最も簡単に見分ける方法は名前です。
神道系のお稲荷様を祀っている所は○○稲荷神社と付いているのに対し、
仏教系は○○稲荷というように、"神社"という言葉がつきません。
また、先程の荼枳尼天が御本尊として祀られていれば、そこは仏教系のお稲荷様となります。
いなり寿司とお稲荷様の関係?
日本には古くから寿司の種類でいなり寿司というのがありますね。
このいなり寿司と今回説明したのお稲荷様は、しっかり関係があります。
元々はお稲荷様への供物は狐の好物であるネズミを差し出していましたが、
段々と大豆が原料の油揚げがお供えされるようになりました。
更にお稲荷様は五穀豊穣の神様という事もあり、
稲の豊作を知らせる為、油揚げの中にお米を入れた事がいなり寿司の始まりだとされています。
まとめ
以上で稲荷神社のお話は終わりです。
稲荷神社についてわかりましたかね?
恐らく自分の家の近所にも稲荷神社はあると思うので、これを機にお参りしてみてください。
ご利益は幅広いのできっと聞いてくださると思いますよ。
以上で本記事は終わりです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。